
「にきび戦略」に多くの反響をいただき、ありがとうございました。読みにくいページを我慢して読んでいただき、申し訳ありません。「にきび戦略」では、つれづれなるままに、にきび治療への私の考え方を述べましたが、実際の治療上のガイドとならないのが心残りでした。今回は「にきびのvariety」をテーマに、一つ一つのにきびを分析的に考え、治療のガイド的なものにしてみました。
皮疹の解説と治療法(☆は治療法のおすすめ度)
- 小さいしろにきび(closed comedo, white head)
- にきびの最も初期の症状です。小学生高学年や中学生はたいがいこの症状からにきびが始まります。皮脂を軽く抑えるアクアチムローションは、幼年時代の白にきびにはわりと有効です。アクアチムは保険適応でもありますので、にきび初心者はまず試してみましょう。アクアチムが効かなくなった方には、軽めのグリコール酸ピーリングがおすすめです。角質肥厚が主体なので、フルーツ酸のように角質を溶解する薬によく反応します。
- アクアチム ☆☆
- グリコール酸ピーリング ☆☆☆
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- 大きいしろにきび
- 同じ白にきびでも、角質肥厚はめだたず、ざらざら感はありません。一見すると、わりとつるんとした肌であるという印象なのですが、肌を触るとぼこぼこしていて、皮膚の下にたくさん皮脂がたまっているのが良くわかります。この大きな白にきびにいったん炎症・感染をきたすと、重症な膿瘍となり、治癒後も大きな陥没となります。治療はけっこう大変です。ケミカルピーリングもトレチノインもこのにきびを押し出す力はありません。私はいまのところ、炭酸ガスレーザーで小さな穴を開けて、皮脂を押し出す治療しかしていませんが、これだけでもずいぶん皮膚が軽くなったとおっしゃってもらえます。再発はありますが、比較的ゆっくりとしたペース(半年ぐらい)です。
- 炭酸ガスレーザー ☆☆☆
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- くろにきび(open comedo, black head)
- 黒にきびも白にきびと同様、単純に押し出すだけという選択肢がないわけではないのですが、結果としては、大きな穴がぽっかりあき、そこに再び黒い皮脂がたまるだけなので、希望する方には、炭酸ガスレーザーで打ち抜くという方法をとっています。打ち抜いた箇所は新しい組織で埋まりますので、くろにきびの再発はありません。直径3mmほどの「瘢痕」という形で治癒しますので、黒い点々よりもつるっとした白い点々のほうが良いといういう方のみに行っています。
- 最近の試みとして、ダイオードレーザー照射とピーリングを組み合わせています。ダイオードレーザーは、黒い色に反応しますので、黒い皮脂をはじく作用があります。また、黒い皮脂が消失したところへピーリングを行い、くぼみの壁となっている皮膚を刺激することにより、穴を収縮する効果を期待しています。
- 炭酸ガスレーザー ☆
- ダイオードレーザー ☆
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- 炎症性丘疹
- 小さい白にきびが感染して赤くなり始めた状態です。病巣は浅い部位にありますので、軽度の方はアクアチム、アクアチムの効かない方はケミカルピーリング程度で内容物排出を第一に考えましょう。また、抗炎症の治療(マイルドな治療参照・現在工事中です)の併用は必須です。炎症が進行すると、病巣が深くなり、治療は難しくなってゆきます。
- 最近の試みとして、ダイオードレーザー照射とピーリングを組み合わせています。ダイオードレーザーは、黒い色に反応しますので、黒い皮脂をはじく作用があります。また、黒い皮脂が消失したところへピーリングを行い、くぼみの壁となっている皮膚を刺激することにより、穴を収縮する効果を期待しています。
- アクアチム ☆
- グリコール酸ピーリング ☆
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- 膿疱
- 膿疱と軽度の結節が入り混じった状態が、にきびの症状としてはもっとも頻度の高い症状です。膿疱になる前段階としての結節が入り混じっているのが普通です。膿疱の数が結節よりもかなり多くを占めている場合には、トレチノインがおすすめです。膿疱をはがすだけでなく、前段階としての結節を押し出す作用があります。ケミカルピーリングも有効ですが、頻回に行う覚悟が必要です。
- トレチノイン ☆☆☆
- ケミカルピーリング ☆☆
- アクアチム ☆
- ミノマイシン ☆
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- 結節(軽度)
- 病巣が深くなるので、外用薬の作用するまでに時間がかかります。膿疱と入り混じっている場合、結節は押し出される方向に向かっていると考えられますので、トレチノインで押し出しの手助けをするとよいと思います。あまり膿疱が混在しない場合、深いところで長期間こもるにきびとなる可能性があります。
- 一週間も排出されないようならば、炭酸ガスレーザーで小さな穴を開けて押し出してやるほうが良いと思います。病巣の深さからいって、ケミカルピーリングはあまり有効ではありません。
- このタイプの結節にトレチノイン外用を行うときに注意しなければならないのは、トレチノインの免疫抑制作用です。トレチノイン治療中に雑菌が結節についた場合、重症の結節に発展する恐れがあります。
- トレチノイン ☆☆☆
- ケミカルピーリング ☆☆
- アクアチム ☆
- ミノマイシン ☆
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- 結節(重度・膿瘍)
- 深いところに大きな膿を形成するようになると、この膿の内容はすでにアクネ菌ではありません。黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などの雑菌です。こうなるとトレチノインもケミカルピーリングも適応ではありません。たまった膿は、炭酸ガスレーザーかメス刃で皮膚に穴を開けて一刻も早く排膿する必要があります。女性の場合、この膿瘍が生理の周期で起こることが多く、難渋します。男性の場合、膿瘍になりかけたころにミノマイシンを内服すると落ち着くことが多いようです。
- トレチノイン ☆☆☆
- ケミカルピーリング ☆☆
- アクアチム ☆
- ミノマイシン ☆
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- 酒さ性座そう
- かなり特殊なにきびであり、私もまだ1名しか経験したことがありません。ケミカルピーリングは全く無効でした。トレチノインが劇的に有効でしたが、膿疱を形成している最中に使用するとかえって悪化します。
- トレチノイン ☆☆☆
- ミノマイシン ☆
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